ボジョレー・ヌーボー2015特集

ボジョレー・ヌーボーが出来るまで(製造工程)

フレッシュ&フルーティーが特徴のボジョレー・ヌーボー。普通の赤ワインなら通常、出荷までに少しの間寝かせます。それは、リンゴ酸の酸味やタンニンの渋みを和らげるために熟成させる必要があるためです。しかしボジョレー・ヌーボーは、リンゴ酸やタンニンが最初から少ないので、ぶどうの収穫から1ヶ月ほどの短期間で完成し、出荷することができます。それではボジョレー・ヌーボーの赤ワインの場合を例に取って、ぶどうの収穫から順に工程をみていきましょう。

1. ぶどうを手摘みで収穫

収穫はぶどうの房を潰さないよう、手で収穫されます。

2.ぶどうは潰さず、密閉の発酵タンクに入れる

手摘みをしたぶどうは潰さずにタンクに入れ、ぶどうの房を丸ごと醸造します。通常のワインではぶどうを潰して搾りますが、ボジョレー・ヌーボーの場合はぶどうを潰さず、発酵用の大きなステンレスタンクに上からぶどうをどんどん入れていき、いっぱいになったらフタで密閉します。

3. ぶどうの重みでつぶれ、自然に発酵

密閉タンクの中のいっぱいになったぶどうがぶどうの重みでつぶれ、自然に果汁を出して、ぶどうの果皮についている酵母で発酵していきます。酵母菌が少ない場合は発酵が遅くなるので、ぶどうの枝を入れたり、畑で採取した菌の培養酵母を加えたりします。こういった手法は造り手により異なってきます。

4. 炭酸ガス発生

ボジョレー・ヌーボー

自然に発酵が始まり、炭酸ガスが発生。タンクに充満した炭酸ガスがぶどうの皮の細胞膜を破壊し、赤い色素アントシアニンが出やすくなります。これが赤ワインの赤い色になっていきます。

5. ボジョレー・ヌーボーの伝統的な2種類の発酵
[ マセラシオン・カルボニック、マセラシオン・ボジョレー ]

ボジョレー・ヌーボーの最大の特徴は、ぶどうの実を炭酸ガスにつけこみ、それにより赤い色素が出て、フレッシュで色鮮やかな赤ワインができることです。

大手のワイナリーでは、人工的に炭酸ガスを発生させるマセラシオン・カルボニック法という醸造方法を用います。ぶどうの細胞膜が破壊されるまで2〜3日とかなり早く、大量生産に向いています。それに対し小さなワイナリーでは、自ら炭酸ガスを作り出す伝統的なマセラシオン・ボジョレー法という方法を用います。この場合は、ぶどうの細胞膜破壊まで4〜5日、遅いと10日ほどかかります。

6. 液抜き、ぶどうの皮や種をプレス(圧搾)し、液抜きしたワインを混ぜ合わせる

工程の【3】〜【5】でワインを一時的に取り除いて(液抜き)、通常の赤ワインを造るときと同じように、ぶどうの皮や種を搾ります。搾った後、取り除いていたワインを戻して混ぜ合わせます。

7. 補糖

アルコールやエキス分を分析して、アルコール度数が足らないようであれば、アルコール度数をあげるために糖分を足します。ワインのアルコール度数は、ぶどう果汁に含まれる糖分で決まるので、糖度が足らない場合は糖分を足して、アルコール度数を上げます。

8. もう一度、ワイン酵母を入れて発酵させる

【7】までに出来たワインに、もう一度酵母を入れて発酵させます。

9. 澱引き(おりびき)

【8】の発酵の際に出た澱を取り除くために澱引きをします。(※しかし最近は、自然のままの状態にして、澱引きをしないワイナリーも多いです。)

10. マロラクティック発酵

ボジョレー・ヌーボーの酸味を調整するために行います。酸味が強すぎてバランスが悪いものは、この発酵をし酸味を抑えてバランス良く整えます。

11. 清澄

綺麗な状態にして商品化するために、ボジョレー・ヌーボーの液中の沈殿物や浮遊物を取り除きます。沈殿物や浮遊物は飲んでも体に害はないため、最近ではこの作業を行わず自然のままの状態で商品化するワイナリーも増えてきています。

12. ボジョレー・ヌーボーの完成

以上の工程を経て、ボジョレー・ヌーボーが完成します。