さすがマルセル・ラピエールという非常に美しくピュアな造り。クセが無く、とても飲みやすいです。フレッシュなイチゴの香りがあり、スッキリとしt味わい。チャーミングなロゼワインです。
今では自然派ボジョレーの代表格のように言われるマルセル・ラピエールですが自然なワイン造りを目指し始めた1978年からの数年は失敗の連続だったと言います。
元々、モルゴンに居を構え伝統的ボジョレーの造り手として非常に高い評価を得ていましたが、1980年、自然派ワインの祖と言われるジュール・ショヴェ氏との出会いラピエールのワイン造りは大きく変っていくこととなります。
畑をとりまく自然環境を大切にすることで畑に存在する微生物や酵母を守り、厳しい自然環境の中で葡萄樹はストレスを受け強く育つようになりました。勿論、畑では除草剤や殺虫剤、化学肥料は一切使われることはありません。醸造に至っても非常にシンプル。葡萄の果皮に着いた自然酵母のみでゆっくりと発酵、酸化防止剤などは使用せず、炭酸ガスでフタをして嫌気的環境下で発酵。ノンフィルターでボトリング。(ボトリング時は極僅かな量の酸化防止剤を添加する)
この30年間でマルセル・ラピエールは大きく変化しました。自らのワイン造りは勿論、素朴で庶民の為の酒といったボジョレーのイメージさえも大きく変えたと言えます。素朴ながら洗練された透明感を感じさせ、純度が高い香りを持つ。密度感も十分。旨味に溢れ健康な果実を連想させます。多くの造り手達が未だにマルセル・ラピエールを父と慕うのは、慢心せず進化を続けるからなのでしょう。
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